相手の特徴
取材メディアの記者は日常的に多数のプレスキットを受け取り、独自のファイル管理をしている。URLを送りつけるだけでは「どれが最新か」「いつまで有効か」が伝わらず、古いURLから取材が行われるリスクがある。送付時に有効期限と更新日を必ず明記することが基本だ。
メディア関係者はフリーランスライターや複数の媒体を掛け持つ場合も多く、一社のドメインメールを持たないことがある。ドメイン制限より個人メールアドレス単位のメール認証の方が現実に即した設定になる。
- 相手がログインなしで開ける状態か確認する
- PCとスマホで最低1回ずつ表示を確認する
- 内部情報・個人情報・不要な外部送信が残っていないか見る
- レビュー期限と修正時の差し替え方を決めておく
URLのみ
発表済みのプレスリリースや一般公開した製品ページと同等の内容なら、URLのみの共有でよい。プレス向け追加素材(高解像度画像や動画)が含まれていても、既発表情報の補足であれば過剰な認証は逆にメディア担当者の手間を増やすだけだ。
一方、解禁日前の新製品情報や未発表の人事情報を含むHTMLを認証なしで渡すことは絶対に避けるべきだ。記者が意図せずSNSにURLを貼り付けてしまうケースや、取材メモのクラウド共有設定ミスで外部に漏れる事故が実際に発生している。
- 誰でも見てよい: URL共有のみでもよいが、検索除外は確認する
- 特定の相手だけ: パスワードまたはメール認証を使う
- 会社内だけ: 会社ドメイン認証を検討する
- 短期レビュー: 期限を設定して古いURLを残さない
パスワード
プレスリリースのエンバーゴ(解禁日時の事前共有)運用には、パスワード認証がよく使われる。記者に「解禁日の○時以降に公開してください。パスワードは XXXX です」と案内し、解禁と同時にパスワードを撤廃またはURLを公開に切り替える流れだ。
パスワードが複数の媒体の編集部員の間で共有されると制御が難しくなる。エンバーゴ破りが発生したとき、どの媒体から漏れたかを追跡できないため、責任の所在が曖昧になる。追跡が必要な場合はメール認証に切り替えることを検討する。
- 誰でも見てよい: URL共有のみでもよいが、検索除外は確認する
- 特定の相手だけ: パスワードまたはメール認証を使う
- 会社内だけ: 会社ドメイン認証を検討する
- 短期レビュー: 期限を設定して古いURLを残さない
メール
特定の記者・編集者にだけ事前に資料を渡すエクスクルーシブ取材では、メール認証が最適だ。許可リストに指定した記者のアドレスのみがアクセスでき、閲覧した日時のログが残るため、エンバーゴ破りが発生した場合の調査に活用できる。
複数メディアへのプレスリリース同時送付では、媒体ごとに異なる許可アドレスを設定することで、どのメディアがいつ閲覧したかを追跡できる。取材対応の優先順位付けや、フォローアップ連絡のタイミング判断に役立てられる。
- 誰でも見てよい: URL共有のみでもよいが、検索除外は確認する
- 特定の相手だけ: パスワードまたはメール認証を使う
- 会社内だけ: 会社ドメイン認証を検討する
- 短期レビュー: 期限を設定して古いURLを残さない
ドメインの比較
特定の報道機関(例:nikkei.co.jpや asahi.com)のドメインのみを許可するドメイン制限は、その媒体に所属するすべての記者・編集者にアクセスを開放できる。指定媒体の社員なら事前登録なしにアクセスできるため、大規模プレスリリースで多数の記者を相手にする場合に便利だ。
フリーランス記者やWebメディア(個人ブログ運営者、Gmailアドレスのライター)が多く含まれる場合は、ドメイン制限では対応できない。最終的に「この記者にだけ見せたい」という個別制御が必要な場面ではメール認証を選択し、媒体全体への一括開放の場合にドメイン制限を活用する使い分けが現実的だ。
- 誰でも見てよい: URL共有のみでもよいが、検索除外は確認する
- 特定の相手だけ: パスワードまたはメール認証を使う
- 会社内だけ: 会社ドメイン認証を検討する
- 短期レビュー: 期限を設定して古いURLを残さない
よくある質問
エンバーゴ設定でパスワードを使っていた場合、解禁日時に全員のアクセスを一斉に解放するにはどうすればよいですか?
解禁日時にパスワードを削除するか、URLを一般公開に切り替えることで対応できます。作業を忘れないようカレンダーに解禁時刻のアラートを設定し、当日の担当者を事前に決めておくことを推奨します。
記者がエンバーゴを破って記事を公開してしまった場合、メール認証のログはどの程度の証拠になりますか?
「いつ・どのメールアドレスがアクセスしたか」というログを提示できます。ただし法的証拠としての効力は契約条件や国・媒体によって異なるため、エンバーゴ条件はNDAや覚書に明記した上でログを補完証拠として使うことを推奨します。
同じプレスリリースを国内外のメディアに送る場合、日英両方のHTMLを1つのURLで共有できますか?
1つのURLでは1つのHTMLコンテンツのみ共有できます。日英で別々のHTMLを用意して別URLを発行するか、1つのHTML内に言語切り替え機能を実装したファイルを使用してください。