認証共有

既存顧客にHTMLを見せるときの認証方式の選び方

継続的に取引している既存顧客へHTMLを共有するとき、毎回パスワードを設定してメールで送るのは双方にとって手間だ。信頼関係と過去の実績がある分、セキュリティと利便性のバランスを初回取引より柔軟に設計できる。既存顧客の特性に合わせた4つの認証方式の選び方を整理する。

相手の特徴

既存顧客との取引では、担当者の情報管理レベルや社内のセキュリティポリシーがすでに把握できていることが多い。「あの会社はDropboxを使っていない」「担当者はスマートフォンで確認することが多い」といった具体的な情報を認証方式の選択に活かせる。過去の共有トラブルがあれば、その原因に対応した方式を選ぶことが大事だ。

長期取引の顧客では担当者の異動・退職が起きることがある。「この担当者がアクセスできる」状態を作るより、「この会社のこのプロジェクト担当者なら誰でもアクセスできる」という設計の方が引き継ぎコストを下げられる。担当者ベースのメール認証より、ドメイン認証や共有パスワードの方が引き継ぎに強い。

  • 相手がログインなしで開ける状態か確認する
  • PCとスマホで最低1回ずつ表示を確認する
  • 内部情報・個人情報・不要な外部送信が残っていないか見る
  • レビュー期限と修正時の差し替え方を決めておく

URLのみ

既存顧客に対してURLのみで共有してよい場面は、すでに公開済みか公開予定のコンテンツを先行して確認してもらうケースだ。たとえば公開前のランディングページHTMLを既存顧客に先行確認してもらう場合、もともと公開される予定のコンテンツなので認証なしでも許容できることが多い。

一方、既存顧客向けの個別提案や値引き条件が含まれるHTMLはURLのみ共有では危険だ。顧客の担当者が社内の別部署に転送したとき、価格情報が意図しない範囲に広まるリスクがある。コンテンツに顧客固有の情報が含まれる場合は必ずパスワードかメール認証を付ける。

  • 誰でも見てよい: URL共有のみでもよいが、検索除外は確認する
  • 特定の相手だけ: パスワードまたはメール認証を使う
  • 会社内だけ: 会社ドメイン認証を検討する
  • 短期レビュー: 期限を設定して古いURLを残さない

パスワード

既存顧客へのパスワード共有は、顧客専用の固定パスワードを設定して長期間使う運用が現実的だ。毎回新しいパスワードを設定して連絡するのは双方の手間が増える。プロジェクトごとのパスワードより「このお客様向けの共有ポータル的URL」という感覚で使えるよう、わかりやすい規則でパスワードを設定するとよい。

ただし顧客担当者が退職した場合は速やかにパスワードを変更する。前担当者が退職後も旧パスワードでアクセスできる状態は情報漏洩の観点から問題だ。顧客CRMで担当者変更を記録するタイミングで、HTMLの共有パスワード変更も合わせてチェックリストに入れておく。

  • 誰でも見てよい: URL共有のみでもよいが、検索除外は確認する
  • 特定の相手だけ: パスワードまたはメール認証を使う
  • 会社内だけ: 会社ドメイン認証を検討する
  • 短期レビュー: 期限を設定して古いURLを残さない

メール

既存顧客の特定担当者にだけ閲覧させたいHTMLにはメール認証が適している。長期プロジェクトで複数のフェーズに分けてHTMLを共有する場合、フェーズごとに閲覧許可者を変えながらURLを使い回せる点が便利だ。「フェーズ1はAさんとBさん、フェーズ2はBさんとCさん」という管理ができる。

既存顧客でメール認証を使う際に気をつけるのは、担当者がメーリングリストのアドレスを使って確認作業をしているケースだ。この場合、確認コードがメーリングリスト全体に配信されてしまう可能性がある。個人メールアドレスでの確認を依頼するか、メール認証の仕組みを事前に説明しておく。

  • 誰でも見てよい: URL共有のみでもよいが、検索除外は確認する
  • 特定の相手だけ: パスワードまたはメール認証を使う
  • 会社内だけ: 会社ドメイン認証を検討する
  • 短期レビュー: 期限を設定して古いURLを残さない

ドメインの比較

会社ドメイン認証は長期取引の既存顧客に最もフィットする方式だ。担当者が変わっても同じ会社のメールアドレスがあれば引き続きアクセスでき、引き継ぎのたびにURLを再発行したりパスワードを連絡し直す必要がない。関係者が多い大企業顧客では特に効果的だ。

複数の顧客に同じHTMLを異なる会社ドメインで共有したい場合は、ドメインを複数登録できるか確認する。たとえば同一プロジェクトに複数の顧客企業が関与している場合、それぞれの会社ドメインをホワイトリストに追加することで、1つのURLで複数社を管理できる。

  • 誰でも見てよい: URL共有のみでもよいが、検索除外は確認する
  • 特定の相手だけ: パスワードまたはメール認証を使う
  • 会社内だけ: 会社ドメイン認証を検討する
  • 短期レビュー: 期限を設定して古いURLを残さない

よくある質問

長期取引の既存顧客に同じURLを1年以上共有し続けています。セキュリティ上の問題はありますか?

URLのみの場合はURLが漏洩するリスクが時間とともに高まります。パスワード認証を付けた上で半年ごとにパスワードを更新する運用を推奨します。またコンテンツが更新されていない古いHTMLが公開され続けていないか、期限設定の見直しも合わせて行ってください。

既存顧客の担当者が退職して引き継ぎが発生しました。認証設定はどのように移行すればよいですか?

メール認証の場合は旧担当者のアドレスを削除して新担当者のアドレスを登録します。パスワード認証の場合はパスワードを変更して新担当者にのみ新しいパスワードを伝えます。ドメイン認証の場合は同じ会社ドメインであれば設定変更不要です。

既存顧客から「競合他社にも同じ提案書を見せたが、URLが重複していたらどうしよう」と心配されました。顧客ごとにURLは必ず別になりますか?

同じHTMLファイルでも、アップロードのたびに別のURLが発行されます。顧客ごとに個別にアップロードすることで、それぞれ独立したURLになります。また認証を設定することで、たとえURLが重複しても他社はアクセスできません。

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