認証共有

制作会社とクライアントにHTMLを見せるときの認証方式の選び方

Web制作会社がクライアントにHTMLを確認してもらう場面では、セキュリティと操作の手軽さの両立が求められる。制作サイドとクライアントサイドでITリテラシーが異なることも多く、双方が混乱しない認証方式を最初に決めておくことが、スムーズなレビューサイクルの前提になる。

相手の特徴

クライアント担当者は制作会社が使うようなWebツールに不慣れな場合が多い。「ワンタイムパスワードって何ですか」という問い合わせが来ることを想定し、認証の手順を事前にスクリーンショット付きで説明しておくと余計なやり取りを減らせる。

クライアントには複数の承認者(制作担当・マーケ担当・役員)が含まれることがある。全員が同一のURLで閲覧できるようにするには、認証方式をメール認証のホワイトリストにして全承認者のアドレスを登録するのが最も管理しやすい。役職ごとに見せる版を変えたい場合は別URLを発行する。

  • 相手がログインなしで開ける状態か確認する
  • PCとスマホで最低1回ずつ表示を確認する
  • 内部情報・個人情報・不要な外部送信が残っていないか見る
  • レビュー期限と修正時の差し替え方を決めておく

URLのみ

制作物のデザイン確認など機密性が低いレビューには、URLのみ共有が最速の選択肢だ。クライアント担当者がパスワードをなくした・コードが届かないといったトラブルが発生しないため、タイトなスケジュールのプロジェクトで有効だ。ただし競合他社や関係者以外に資料が流出しても問題ないかを必ず確認してから使う。

URLのみで共有する際も、期限を設定してレビュー完了後に失効させることを忘れない。公開し続けると古いデザイン案が検索エンジンにインデックスされるリスクはなくても、クライアントの旧担当者が退任後にアクセスし続ける可能性が残る。

  • 誰でも見てよい: URL共有のみでもよいが、検索除外は確認する
  • 特定の相手だけ: パスワードまたはメール認証を使う
  • 会社内だけ: 会社ドメイン認証を検討する
  • 短期レビュー: 期限を設定して古いURLを残さない

パスワード

制作会社とクライアントの間でパスワードを使う場合、プロジェクト全体で一つのパスワードを設定しておき、承認フローのたびに同じパスワードを使う運用が多い。URLだけを変えて各フェーズの成果物を管理できるため、クライアント側の混乱が少ない。

パスワードはプロジェクト番号や案件名から連想できるものは避け、英数混在の短いフレーズにするのが安全だ。キックオフ時に口頭で伝え、書面(契約書の付属書類など)にも記録しておくと担当者交代時の引き継ぎがスムーズになる。

  • 誰でも見てよい: URL共有のみでもよいが、検索除外は確認する
  • 特定の相手だけ: パスワードまたはメール認証を使う
  • 会社内だけ: 会社ドメイン認証を検討する
  • 短期レビュー: 期限を設定して古いURLを残さない

メール

クライアント側の承認者が多い案件では、メール認証が最も管理しやすい。承認者が変わるたびにパスワードを再共有する手間が省け、ホワイトリストのアドレスを追加・削除するだけで対応できる。承認フロー上の新しい担当者を追加するとき、制作サイドはURLを再発行せずに済むのが利点だ。

クライアントのIT環境によっては、確認コードのメールが迷惑メールフォルダに入るケースがある。初回共有前に「確認メールが届かない場合は迷惑メールをご確認ください」と案内し、送信元ドメインをホワイトリスト登録してもらうようお願いすると後からのトラブルを防げる。

  • 誰でも見てよい: URL共有のみでもよいが、検索除外は確認する
  • 特定の相手だけ: パスワードまたはメール認証を使う
  • 会社内だけ: 会社ドメイン認証を検討する
  • 短期レビュー: 期限を設定して古いURLを残さない

ドメインの比較

クライアントが大企業で全担当者が同一ドメインのメールを持つ場合、ドメイン認証を設定するとクライアント側の全担当者がパスワード不要で閲覧できる。制作会社側は認証管理の手間を大幅に削減でき、担当者交代があっても操作不要だ。

制作会社とクライアントの両社が閲覧する場合、ドメイン認証は一社分のドメインしか設定できないことが多い。この場合は自社(制作会社)ドメインとクライアントドメインをそれぞれ設定できるか確認するか、メール認証のホワイトリストで両社の担当者を一括登録する方法に切り替える。

  • 誰でも見てよい: URL共有のみでもよいが、検索除外は確認する
  • 特定の相手だけ: パスワードまたはメール認証を使う
  • 会社内だけ: 会社ドメイン認証を検討する
  • 短期レビュー: 期限を設定して古いURLを残さない

よくある質問

クライアントから「パスワードを忘れた」と連絡が来た場合、どう対応すればよいですか?

パスワードをクライアントに再通知するか、管理画面からパスワードを変更して新しいものを伝える。頻繁に忘れる場合はメール認証に切り替えるとパスワード管理の手間がなくなる。

クライアントの担当者が3名いる場合、URLを1本にすべきですか、3本発行すべきですか?

通常は1本のURLにメール認証を設定し、3名のアドレスをホワイトリストに登録する運用が効率的だ。それぞれに異なる版を見せたい、または閲覧履歴を個別に管理したい場合のみ3本発行を検討する。

プロジェクト途中でクライアントの担当者が交代した場合の対応手順を教えてください。

メール認証を使っている場合は旧担当者のアドレスをホワイトリストから削除し、新担当者のアドレスを追加するだけで対応完了だ。URLを再発行する必要はなく、新担当者に既存のURLをそのまま送ればよい。

関連記事

認証共有

既存顧客にHTMLを見せるときの認証方式の選び方

継続取引中の既存顧客にHTMLを共有する場面での認証方式の選び方を、URL共有・パスワード・メール認証・会社ドメイン認証の特徴と既存顧客固有の考慮点から解説します。

5分で読める
「認証共有」の記事をもっと見る →