準備するもの
HTMLをPDF化せずに共有するには、HTML・CSS・画像が一体になった状態でURLアクセスできる環境が必要だ。専用サーバーは不要で、ギガサイト便のようなHTMLホスティングサービスにZIPをアップロードするだけで条件を満たせる。既存のFTPサーバーや開発環境のポート公開ツールも使えるが、認証機能を別途実装する手間がかかる。
PDF変換の際にどの情報が失われていたかを整理しておくと、移行後の説明がしやすくなる。代表的な例として「印刷設定によってページが途中で切断される」「CSSのposition:fixedで固定したヘッダーが各ページのヘッダーとして複製される」「JavaScriptのアニメーションが停止した状態でキャプチャされる」などがある。
レビュアーへの事前説明も準備の一部だ。「今回からPDFではなくURLを送ります」と伝えた上で、ブラウザで開くだけで確認できること・パスワードの入力方法を一言添えると、受け取った相手が戸惑わずにすむ。特に非IT職のクライアントに送る場合は手順を簡単に添えた方がよい。
- 相手がログインなしで開ける状態か確認する
- PCとスマホで最低1回ずつ表示を確認する
- 内部情報・個人情報・不要な外部送信が残っていないか見る
- レビュー期限と修正時の差し替え方を決めておく
実際の手順
ギガサイト便のダッシュボードを開き、レビューしてほしいHTMLを含むZIPをドラッグ&ドロップする。アップロード後にURLが発行されたら、認証設定タブでパスワードを設定してからURLをコピーする。この一連の操作は慣れると60秒以内で完了する。
コピーしたURLと、パスワード・有効期限・確認ポイントをセットにしてレビュアーに送る。メールなら件名に「【レビュー依頼】〇〇ページ確認URLのご共有」と入れると見落とされにくい。SlackやTeamsで送る場合はメンションを付けて送信する。
レビュアーからのフィードバックを受け取ったらHTMLを修正し、同じURLで差し替えアップロードする。「先ほどお送りしたURLの内容を修正しました。再度ご確認をお願いします」と一行添えるだけで再確認を促せる。PDFを再送信して「前の版と今回の版どちらが最新ですか?」という混乱が起きなくなる。
失敗しやすい点
HTMLをブラウザで「印刷→PDFで保存」する操作に慣れているため、つい新しいファイルをPDFで保存してから「やっぱりURLで送ろう」と切り替えるケースがある。PDFを作る工程自体が不要になったことを意識して、ファイル保存の習慣から変えていく必要がある。
PDF化していたときは「印刷向けのページ改行位置」を確認できていたが、URL共有ではその確認ができなくなる。ただし印刷が不要なWebページなら問題ない。印刷対応が必要なページは@media printのCSSを別途確認する手順を追加することで解決できる。
クライアントが「PDFで保存して社内で回覧したい」という要件を持っている場合がある。その場合はURL共有でのレビューを済ませてから最終的にPDFを生成して納品するという2段階の流れにすると、レビューの精度を保ちつつ相手の要件も満たせる。
テンプレ文面
今回よりレビューはPDFではなくURLでご共有します。ブラウザでURLを開いていただくだけで実際の表示をご確認いただけます。本日の確認依頼ページ:〇〇ページ。確認ポイント:フッターの「会社概要」リンクが正しく遷移するか。URL:[プレビューURL] パスワード:別途LINEでお送りします。有効期限:〇月〇日
「今回よりPDFではなく」と明記することで、受け取る相手が変更に気づきやすくなる。初回だけこの一文を入れておけば、以降の依頼ではなくても相手はURL形式に慣れてくる。パスワードを別手段で送る旨の明記もこのテンプレでは重要なポイントだ。
よくある質問
PDF変換した方がファイルサイズが小さくなるのでは?
メール添付の観点では確かにそうですが、URLで共有する場合はレビュアーがダウンロードするファイルはありません。通信量の問題もなく、むしろ相手のストレージを消費しない分URL共有の方が親切です。
クライアントがPDFでの受け取りを強く希望しています。URL共有と両立できますか?
できます。URLで実物をレビューしてもらい、承認が得られてからChrome印刷機能やwkhtmltopdfでPDFを生成して納品する流れが最も効率的です。レビューはURL、納品物はPDFと役割を分けるとよいです。
URLをメールで送ったところスパムフィルターに引っかかりました。対策はありますか?
短縮URLを使っていると誤検知されやすいです。ギガサイト便が発行するURLはそのまま使うことをお勧めします。それでもフィルターに引っかかる場合はURL文字列を分割して書く(h ttps://〜)か、ファイル転送サービスとのリンクページを経由する方法があります。