準備するもの
チェックリストを活用するには、まずQRコードのリンク先URLと認証設定を「印刷発注前に確定させる」という原則を守ってください。URLが後から変わるとQRコードは完全に無効になるため、リンク先の確定なしに印刷に進むことは原則禁止です。ギガサイト便であれば発行時に期限とパスワードを設定し、URLを固定してから印刷工程に移れます。
チェックリストはGoogle SpreadsheetsやNotionで管理し、案件ごとにコピーして使い回す形式にしておきます。印刷物の種類(名刺・チラシ・ポスター・冊子)ごとに最小サイズや余白の規定が異なるため、印刷物の種類を記入する欄を設けておくと、確認項目を絞り込みやすくなります。
デザイナー・ディレクター・クライアントの三者でQRコードの最終承認フローを決めておきます。デザイナーが「データ上は問題ない」と判断しても、クライアント環境のスマートフォンで読み取れないケースがあるため、最終スキャン確認はクライアント側の端末でも実施するチェック項目を必ず含めてください。
- 相手がログインなしで開ける状態か確認する
- PCとスマホで最低1回ずつ表示を確認する
- 内部情報・個人情報・不要な外部送信が残っていないか見る
- レビュー期限と修正時の差し替え方を決めておく
実際の手順
チェック①(デザイン確認段階):QRコードのサイズが15mm以上か・余白が十分か・前景色と背景色のコントラストが十分かを確認します。データ上でQRコード部分を拡大し、セルの境界が明確に区別できるかを目視してください。
チェック②(試し刷り確認段階):プリンターで実際に印刷し、5種類以上のスマートフォン(iOS・Android、メーカー異なるもの)でQRコードをスキャンし、正しいURLに遷移するかを確認します。暗い場所・明るい場所・斜め45度からのスキャンも試して、読み取り精度を検証してください。
チェック③(入稿前確認段階):入稿データにQRコード画像が正しく埋め込まれているか(リンク切れがないか)を確認します。入稿前にPDF/X-1a形式で書き出し、PDF内のQRコード表示を確認するとともに、印刷会社のプリフライトチェック結果にエラーがないかを確認してください。
失敗しやすい点
チェックリストを自分だけが使って相手(クライアントや印刷会社)への共有を省略すると、情報が分断されてミスが発生します。チェックリストのURLを印刷発注メールに添付し、「このチェックリストの全項目を確認済みです」という確認済みスクリーンショットを送ることで、双方の認識を揃えられます。
試し刷りを行ったプリンター(インクジェット)と本番印刷(オフセット・デジタル印刷)では印刷品質が異なり、試し刷りでは読み取れたのに本番印刷では滲んで読み取れないケースがあります。印刷会社に確認用サンプル(校正刷り)を依頼し、最終印刷前に実機でスキャンテストを行うことを強くお勧めします。
テンプレ文面
印刷発注時に印刷会社へ送る確認事項テンプレ:「QRコードを含む印刷物のご発注です。下記事項をご確認ください。①QRコードはSVG形式で埋め込み済みです。②最小印刷サイズ:〇〇mm×〇〇mm。③試し刷りにてiOS/Android端末でのスキャン確認済みです。本番印刷前に校正刷りをご提供いただけますでしょうか。」
配布後のフォローアップ連絡例(不具合発生時):「お配りした〇〇チラシに掲載のQRコードにつきまして、一部の端末でスキャンできないとのご報告をいただいています。代替のURLを下記にご案内します:〇〇。ご不便をおかけして申し訳ございません。」
よくある質問
QRコードチェックリストを複数の印刷案件で使い回す際、どう管理すれば混在しませんか?
Notionまたはスプレッドシートで「案件名・印刷物種別・QRコードのURL・確認完了日・承認者」を列として持つマスターシートを作り、各案件のチェックリストはそこから行を追加する形で管理すると混在しません。チェック完了後はそのままアーカイブ列に移動させてください。
QRコードのエラー訂正レベルはどれを選べばよいですか?
印刷物の汚損リスクが低い屋内配布(チラシ・冊子)ではLevelM(15%まで破損しても読める)が実用的です。屋外設置や長期掲示のポスターはLevelH(30%まで破損しても読める)を選ぶとスキャン成功率が上がります。ただしエラー訂正レベルを上げるとQRコードが密になるため、印刷サイズを大きくする必要があります。
QRコードの印刷物を大量発注した後に掲載したURLのサービスが終了した場合、どう対応すればよいですか?
印刷発注前に短縮URLや自社ドメインのリダイレクトを経由させる設計にしておくと、リンク先だけを変更してQRコードを刷り直さずに対応できます。ギガサイト便のような安定したサービスを選ぶことも重要ですが、重要な印刷物には自社ドメインリダイレクトを挟む保険をかけることをお勧めします。